入院15日目の内視鏡検査

今日はこれまでの治療の成果を確認するための内視鏡検査の日。
朝食と昼食の供給を停止され、ニフレックという、味の素製造の経口腸管洗浄剤…簡単に言うと下剤なんだけども、これを2時間かけて2リットル飲み、アレをトイレで全部ぶちまけろ、との命令を受ける。
昨日はしっかり夕食を食べているので、こういう手順を踏まないことには内視鏡は入れられないわけだ。
無理矢理入れても何も見えないだろうし。


というわけで、飯の代わりに早速生まれて始めてのニフレックを飲み始めたわけだが、話には聞いていたものの、劇的に不味い!
何というか、甘みの全くないスポーツドリンクというか、人間の体液そのものの味というか、○液をちょっと連想させるような香りといい、人間が口に入れるものであるにも関わらず、どうしてここまで不味く作るんだろうと、非常に疑問を感じてしまう。というか、ひたすらにつらい。
結局、2時間ではとても飲み干すことができずに、3時間19分もかけて処理する羽目になってしまった。
一応、後味を誤魔化すためにポカリやらミルクティーやらを一緒に飲んだのだが、クるときはクる感じで、やっぱりきつかった。まぁ、これをしなかったらとても全部は飲めなかったんですけど。
で、…午前中はそんな感じで憂鬱な気分のまま経過。


午後2時を少し過ぎたところで看護師さんから内視鏡検査の呼び出しを受けたので、カルテを持ち、覚悟を決めて検査室へ。
検査室へ行く途中、自分のカルテをちょいとチェックして、医師の判断やら経過などを確認してみたが、変な略称やら何やらで大ざっぱにしか内容を掴めなかった。
一部、素人の自分でも読めたのは、
プレドニンの副作用について要観察、副作用を訴えたときは症状に応じて以下の薬を処方すること…」みたいな部分。自分が何かの実験体になった気がして大変興奮した。


検査室へ入り、カルテを渡して、お尻のところに穴の開いた紙パンツに着替えて更衣室を出たところで、ほぼ同時に出てきた検査待ちの熟女と目が合い、気まずい思いをする。幸先の良いスタートだ。泣ける。


ベッドに上がって、体を横向きにし、お尻の穴に潤滑ゼリーを塗ったり、肩に腸の緊張をほぐすための筋肉注射をしてから、即内視鏡を挿入。注射が効くまで待ったりはしないのかしら?? とか思ったものの、時間も押しているっぽい雰囲気なので何も言わずに黙っていた。
それにしてもやっぱり何度やってもこの瞬間には慣れないなー。


空気を噴射して、腸壁を広げながら少しずつカメラが進んでいく様子をモニターで見ると、前回11日の検査に比べて遙かに性状が良くなっているのが確認できた。あの時は血塗れだったからなぁ…とか思っていると、いきなり激痛。大腸のカーブ部分と潰瘍が重なっているところをカメラが通過する際に腸壁が擦れて、そりゃあも
う、大変な痛みを感じるっつー話である。
腹の中をカメラが蠢いている感触も気持ち悪いし、痛いし、今日は大腸を全部、というか、カメラを突っ込めるところまで突っ込みますよという話なので、まだまだ宴は始まったばかりだ。
まー、先生にしてみれば、「お前、まだ直腸を超えたところだぜ? 今からそんな弱音を吐いてどうすんだ? 小僧?」
という感じか。


カメラがゆっくりと奥へ進んでいくのに応じて、仰向けになったりうつ伏せになったりしつつ、腸内の性状を観察。たまに記念撮影。
腸内に残っているニフレックの残りを吸引しながらなので、時間がかかる&痛い。
見た感じでは、かなり良くなっている部分もあれば、まだ深い潰瘍の残っている部分もあり、このままのスケジュールで薬の量を減らしていけるのかなぁと少し不安になってくる。
仕事に復帰していきなり再発、とかだと困るしなー。
などと考えつつ、痛みに耐えながら、ついに小腸の入り口まで到達。
自分の小腸を中から見るのは30年間生きてきて始めての経験だが、とにかく痛いのでどうでもいいという思いのほうが強かった。
見た感じ、小腸には潰瘍はできていない様子。


一通り観察したあとは、カメラを引き抜きつつ、腸内の液体その他を吸引して写真を撮影しつつ、3箇所で生体組織のサンプルを採取という作業に移行。
組織の採取には、まず青インクをカメラのケーブル経由で注入して、腸壁を着色。潰瘍をわかりやすくしてから、今度はギザギザの
クリップの付いたワイヤーを突っ込み、腸壁を挟んで…ブチッ!っと、組織というか腸壁そのものをちぎり取る。
ちぎり取られた部分からは当然出血。しかも結構盛大に出ているように見える。少なくとも病状は確実に悪化していることは間違いない。
まぁ、よくよく考えると腸の太さなんて大したことはないし、クリップ自体の大きさは実際には小指の爪ほどもないんだろうけど、モニターが大きいととんでもないことが起きているように見えて、精神的によろしくない。グロすぎるし。
チギるときに痛みを感じないのが唯一の救いだった。カメラを通す時には痛かったりするのに、不思議なものだ。


カメラを引き抜いて全てが終わったのは開始からほぼ1時間後。1時間も病気の内蔵をいじくられるとさすがにその影響も大きくて、気分は悪いし、精神的にも憂鬱になるし、腸壁が受けたダメージのせいで微熱も出てきたりして、かなり大変だった。
ニフレックの残りが多くて、吸引作業でグリグリしたのが一番良くなかったのだと思う。
次にやる機会があったら、その辺は気をつけようと思いました。